万年橋を渡り、東劇ビルの裏手の路地を入る。新橋演舞場の程近く。最初は見つけにくいかもしれないが、一度訪れてしまえば、分かりやすい場所である。店の名は「CaliCari」、インド料理レストランだ。
階段を下りると、そこは高さ約6mの吹き抜け空間。キャンドルランプを使ったオリジナルのアンティーク調シャンデリアが、ウッディーな店内を柔らかく照らしている。地下とは思えないほどの開放感、まさに隠れ家と呼ぶにふさわしい。
CaliCari」のランチは、A~Dの4種とバイキングから成る。メインはいずれもインドカレー。連日複数のカレーが用意されるが、中でもおすすめは「大地の息吹きカレー(季節の野菜入り)」。福岡で専業農家を営むオーナーの実家から送られてくる「自家製有機野菜」を前面に打ち出した、飛びっ切りの野菜カレーだ。
驚くほど「すーっ」と、体に入ってくる。まろやかなルーと時間差で、野菜が強烈に主張し始める。ニンジン、ブロッコリー、ピーマン、ナス、トマト、ホウレンソウ。それぞれの甘み、それぞれの食感。すべての野菜が生き生きとしている。そして、いつの間にかさわやかな辛さが訪れていて、汗がじわっと来る。実に見事な、また注文したくなる野菜カレーである。
DATACaliCari
中央区築地4-3-11 アクアビルB1F
03-3545-4877
京橋駅から鍛冶橋通りを皇居方面へ。柳通りと交差する一つ目の信号を右に曲がるとすぐの場所に、南インド料理の名店「ダバ インディア」はオフィス街の真ん中にある。
南インドの主食はコメだ。だから数種のカレーとライスの組み合わせが満喫できる、南インド式カレー定食ことミールスは外せない。さっそく定番「ランチミールス」をいただくことにした。本日のカレー3種とサンバル、ラッサム、ライス、バトゥーラ(揚げパン)、パパド(豆の粉で作ったせんべい)。ワンプレートなのに豪華であり、鮮やかである。香りもいい(カレーリーフを使っているからだそうだ)。
この日の「本日のカレー」3種は、辛口=マトンとブラックペッパー、中辛=チキンひき肉、マイルド=2種の豆カレー。なんといっても驚くのは、それぞれのカレーがメインとなる食材の味を際立たせていることだ。
さわやかな辛さとブラックペッパーのアクセントがマトンを引き立て、ホウレンソウソースがチキンに奥行きを与える、といったように。さらに特筆すべきは、ご飯がどんどん進むこと。南インドのみそ汁といわれる「サンバル」や、酸味が効いたトマトのスープ「ラッサム」ともどもご飯とよく合う。よって"南インド式カレー定食"とは、実に腑に落ちる表現なのだ。
DATAダバ インディア
東京都中央区八重洲2-7-9 相模ビル1F
03-3272-7160
建物と建物の間、突然顔を出す巨大な東京タワーがチャーミングだ。ロシア大使館の裏手に広がる東麻布の街は、高級住宅地であるのにどこか懐かしい。今回の舞台「インド料理 スーリヤ東麻布店」も、初めて訪れた気がしない、実にアットホームな店である。オープンは2001年の4月。インド料理は北インド料理と南インド料理に大別されるというが、ここ「スーリヤ」のルーツは中央インド・ムンバイ(旧ボンベイ)のお母さんの味だ。カレーはローファットでマイルド。なおかつ、注文時に1~4までの辛さのレベルが選べ、テーブルスパイス「チョットニー」を加えればさらに辛くすることもできる。
それでは、豊富なランチメニューから二品を紹介しよう。「スペシャルランチセット」。5種類あるカレーの中から「マトン」と「野菜」を選んだ。マトンは約12kgあるものを煮込み、ゴミや無駄な脂を取り除くことで9kgほどに。だから臭みがなく、それでいて野趣のある羊肉を楽しめる。野菜カレーは程よいとろみと自然な甘さが魅力。動物性タンパク質・脂質は一切使っていない。石釜ならではの香ばしいタンドゥーリも絶品である。
「日替わりカレーセット」。この日の日替わりは「エビカレー」だ。鮮やかな朱色はトマトの色。味はクリーミーかつマイルドでありながら、トマトの酸味と見事なまでに調和している。中に入っているエビもプリプリだ。
3種類のカレーを食べて、気付いたことがある。それは、カレーとは"甘みを楽しむ料理"ではないか、ということ。カレーをおいしくするのは、辛さの中にある"甘み"なのかもしれない。
日本人は「カレー」が大好きである。大好きであるがゆえ、まずいカレーもそれなりに許せたりする。最近はインドカレー、タイカレー、和風カレーなど種類も多い。レトルトも増えた。だからこそ、本当にうまいカレーと出会えたとき、人は"しあわせ"になる。
ここ「HARE GINZA」のカレーは、ほかでは味わえない"オンリー・ワン"である。前身は銀座・数寄屋通りにあった小さなバー「晴」。そこで出し始めたランチのみ限定15食のカレーが評判を呼び、以来、常連客を増やしつつ引き連れつつ同じ銀座の中で場所を移し、現在のソニービル裏に落ち着いた。
6種類あるスープ状のカレーは、タイカレーがベース。他店に比べると全般的に辛い。けれども、ただ辛いだけではない。甘味、うま味、辛味が三位一体となって絶妙のハーモニーを奏でる。辛いカレーが得意という方は、「イエローカレー」をぜひ。ちまたにあふれる辛いだけのカレーとは一線を画す、独特の"うま辛"にひざを打つはず。
「ブラックチキンカレー」は店の10周年を記念して開発された新しいカレー。コク出しと色出し用に2種類のイカスミを使用。ほろほろの骨付きチキンと、まろやかな中に程よい辛さが潜むルーのバランスが見事だ。