インドネシア料理も今やすっかり定着した。ただ、レトルトのナシゴレンがスーパーに並ぶような状況って、ちょっとどうなんだろう? 本当のインドネシア料理のおいしさを知らないまま、「こんなものか」と見切りをつけてしまうなんてもったいない。
だから今回は、インドネシア料理の、本当のおいしさを教えてくれる店を紹介しよう。渋谷インフォスタワー横にある「アユンテラス」だ。
まずは土日祝限定の「ナシチャンプール」(白いごはんにボリュームのあるおかず5品の盛り合わせ)から。見た目も鮮やかなおかずは、左から時計回りで「サテ」「タフトロール」「ガドガド」「クルプックウダン(えびせんべい)」「ウダンブラード」の順に並ぶ。「タフトロール」は豆腐の入った揚げオムレツ。サクッとした食感と軽さがクセになる。「ガドガド」はゆでた野菜のピーナッツソースサラダのこと。野菜がシャキシャキで楽しい。エビの唐辛子炒めにトマトソースを合わせた「ウダンブラード」は、プリプリのエビとさわやかな酸味が特徴だ。
続いては、平日ランチの定番「ナシゴレン」。真ん中に載っているのは、アボンと呼ばれる牛肉のでんぶとココナツ。揚げた赤タマネギはアクセントだ。たっぷりのエビとチキンが入ったパラパラのご飯は、軽快でありながら実に優しい味がする。添えられた「サテ」もジューシーでうまい。
DATAアユンテラス
東京都渋谷区桜丘町20-12 Le Quaritier桜丘1F
03-5458-9099
新大橋通り沿い。左は築地駅、右は新富町駅。ここ「築地 さらしなの里」は、1899年創業の手打ちそばの老舗だ。まずは、やはり「もり」だろう。この店の「手打ちそば(もり)」はいわゆる二八(そば粉8、小麦粉2)だが、北海道石狩沼田産の真空保存のそば抜き実(丸抜き)を石臼で自家製粉、毎朝挽きたてを手打ちするというから恐れ入る。
汁も鹿児島枕崎産の鰹の焼節を使って、毎日店で作るという。やや甘めだがマイルドで、主張の強過ぎない汁だから、そばの香りと風味が一層引き立つ。江戸前の細くて足のあるそばを「つるつるっ」と。
さらにもう一品、「さらしなの里」を代表するメニューが「鴨南ばん」である。埼玉辛手産の合鴨、この肉がなんといっても素晴らしい。ただでさえ鮮度がいいのに、冬場に入ると脂がのって、肉の赤と脂の白がどんどん鮮やかになる。美しいのだ。
そんな最高の素材だから、あくまでレアで仕上げてそばに載せる。汁も冷たいそば用とは違い、鯖の焼節を使ってよりすっきりと。程よい柔らかさ、かむほどに味が出てくる鴨。脂の甘みとのバランスも絶妙だ。例えるなら、そば屋でフレンチレストランの「鴨のロースト」に出会ったような感覚。これに香り高きそば、上品な汁、ネギが加わる...こんな幸せ、そうはない。
東陽町駅2番出口から徒歩約5分。オフィスビルや住宅が混在する一画に「Cafe La Vue Blanche(カフェ ラ ヴュ・ブランシュ)」はある。オープンは2003年1月。素焼きレンガの外壁、大きな窓、白いエントランスと、さわやかな店構えだ。天井や壁、柱なども、テーマカラーである白で統一され、清潔感があって心地がいい。
この店の代名詞と言えるメニュー、それが「花咲チーズオムライス」だ。オーナーが、暇さえあれば有名店を食べ歩き、何千個という卵で試作を積み重ねた末、作り上げた逸品である。
艶やかに光り輝く半熟卵の黄色。その周りには、デミグラスソースとモッツァレラチーズがたっぷりとかけられている。口へ運んだ途端、エダムチーズ入り半熟卵のとろとろ感、続いてハラハラと広がるチキンライスの食感が追いかけてくる。さらには、モッツァレラチーズのコク、トマトの酸味が味わい深い特製デミグラスソース。一心不乱に食べたくなる...そんな力がこのオムライスにはある。
手作りデザートにも注目したい。クリームチーズとサワークリームたっぷりの「チーズケーキ」は程よい甘さ。香りのいい紅茶とチーズの濃厚なうま味はよく合う。良質な卵黄と生クリーム、三温糖を使った「カスタードプリン」は優しい甘さで、どこかほっとする味わいだ。
銀座線・末広町駅の4番出口を出て、蔵前橋通りに沿って御茶ノ水方面へ5分ほど歩くと、オープンテラスと、掲げられたフランス国旗が目を引く店が現れる。「カフェ ローズマリー」だ。
「格式ばらず、くつろいでフレンチを楽しんでもらいたい」というのが、店のコンセプト。ランチメニューは週替わり。2種類のオードブル、3種類のメインの中からそれぞれ1品、好きなものを選ぶ。それにパン、デザート、コーヒーまたは紅茶が付く。リーズナブルな価格で本格的なフレンチを楽しめるから、うれしい。
この日の魚のメインは「鱸(すずき)のポワレ春キャベツ添え、赤ワインのブルー・ルージュ・ソース」。程よい塩加減で焼かれた香ばしい皮の、パリッとした食感が楽しい。柔らかな身からあふれ出す新鮮な魚のエキスが持つうま味は、赤ワインの独特の風を生かしたソースによって、さらに引き立てられている。
肉のメインは、ブランドポークを使った「岩手真木沢ポークのソテー、オルロフ風」。チーズの入ったホワイトソースを、岩手真木沢ポークにたっぷりと絡めて口の中へ。かみ締めるほどににじみ出るポークの肉汁と濃厚なソースのマリアージュ。まさに納得のメインディッシュだった。
大人の創作和食ダイニングレストラン「新和食 るちあ」は、2001年9月にオープンした。ドット柄のバーカウンターと、土の自然な風合いを生かした壁面が目を引く店内は、モダンでありながらも和の雰囲気に満ちた、上品でシックな空間だ。
新しさと伝統の融合をテーマに、素材、器、炊きたてご飯にこだわる...それが「るちあ」流の料理だ。最初に紹介したいランチは、日替わりで献立が変わる1日10食限定の釜飯、この日はホタルイカがメインの「ホタルイカ五目釜飯」だった。
フタを開けた瞬間、ホタルイカが運んできた海の香りが広がり、さまざまな具材も色鮮やかで目にもうれしい。薄めの味付けで素材のうまみも生きている。特にこだわっているのがご飯。コシヒカリを中心に、独自にブレンドしたコメを土鍋で炊きあげ、炊きたてを提供している。炊きたてのご飯は、見た目は艶やかで、ふっくら。口に含み、かみ締めるほどに甘みが増し、コメのうま味を最大限に引き出しているのだと納得できる。
そんなご飯を際立たせる、季節のおかずと一緒に楽しめる「るちあ御膳」も人気だ。口取り、刺し身、焼き魚、煮物、みそ汁、漬物、デザートと、バラエティーに富んでいる。どれも炊きたてご飯と相性がいいから、ご飯好きなら一度は訪ねておきたい店である。
DATA新和食 るちあ
東京都渋谷区神宮前1-10-9 オンデンフラットビルB1F
03-5413-2733