三越を背にしながら、老舗ひしめく室町仲通りを真っすぐ進み、昭和通り手前の十字路を左へ折れると、はためくフランス国旗が目に入るはずだ。そのビルの地下1階に「Bistro Esprit」(ビストロエスプリ)はある。
「ビストロ」と名乗るだけに、家庭的なフレンチがリーズナブルに楽しめるが、それだけではない。シェフ手打ちのパスタが人気なのだ。イタリアンでの修業経験もあり、自ら麺好きを公言するシェフが毎夕方手打ちし、一晩寝かせてから供される「手打ちパスタセット」は、一日限定20食、週2回ソースが入れ替わる。写真のミートソースは、生クリームを加えたことでまろやかさが増し、ローズマリーの香りが食欲をそそる逸品。もちもちした生タリアッテレの食感がたまらない。
「ランチコース」は、前菜、メインディッシュ(肉または魚)、デザート、自家製パンまたはライス、ドリンクという構成。この日の前菜は「茄子のマリネ 生ハム添え」、メインの肉料理は「チキンソテー ペッパーソース」、デザートは「カボチャプリン」だった。かむほどに味の出るチキン、バルサミコの酸味がすがすがしい前菜と、どれも納得の味だが、中でも素晴らしいのは一皿全体での塩加減だ。強過ぎず弱過ぎず、決してしつこくない。それでいて魚のローストなどを食べてみると、表と裏の塩の振り方の違いがよく分かる。
